~国の指定や補助のもと、世界レベルの糖尿病臨床開発研究拠点の形成を目指して~

糖尿病の予防や克服に向けた幅広い研究開発

糖尿病の予防や克服に向けた幅広い研究開発
徳島県は、糖尿病死亡率の全国ワースト1が長らく続くなど、糖尿病対策が喫緊の課題となっており、これまで県民挙げてその対策に取り組んでいます。特に、平成21年度からは、国(文部科学省)の補助を受け、徳島健康・医療クラスター事業(徳島県の地域課題であり、かつ世界的な課題でもある糖尿病の克服に向けた研究とともに、先進的な研究開発をグローバルに展開できる「世界レベルの糖尿病研究開発臨床拠点」の構築を目指すプロジェクト。以下「クラスター事業」という。)をスタートさせ、徳島大学を中心に産学官が連携して、糖尿病の新規治療法や食品・医薬品素材の開発、また、そこから派生する支援サービスの創出など、糖尿病の予防や克服に向けた幅広い研究開発を進めました。

「とくしま「健幸」イノベーション構想」

とくしま「健幸」イノベーション推進協議会本部プロジェクトディレクター濱尾重忠氏

濱尾重忠 氏
とくしま「健幸」
イノベーション
推進協議会本部
プロジェクトディレクター

こうした取り組みの結果、平成26年には本県の糖尿病死亡率が全国ワースト1から脱却するとともに、クラスター事業からは、医療観光をはじめ、県内企業による研究成果の事業化や商品化が実現するなど多くの成果が生み出され、地域の経済への波及効果も一定みられました。さらに平成26年度からはクラスター事業を引き継ぐ形で「とくしま「健幸」イノベーション構想」に取り組んでおり、引き続き海外からヒト、モノ、カネを惹きつける強力なポテンシャルを持った国際競争力強化地域として糖尿病の克服を通じた健康長寿社会の実現を目指すべく研究・取組みを進めています。

1.アジア糖尿病フォーラムの開催

◆アジア糖尿病フォーラムの開催 (開催実績)

中国を中心に急激な増加が懸念されるアジア型糖尿病の克服に向け、日中を代表する糖尿病研究者らをアジアにおける糖尿病臨床研究の拠点である徳島大学に招聘し、両国間における臨床や研究の連携推進などを図ることを目的に開催。

第1回 アジア糖尿病フォーラム

概要
開催日 | 平成22年8月11日(水)
場所 | 徳島大学病院
参加者数 | 64名
第1回 アジア糖尿病フォーラム

日本及び中国で先進的な糖尿病研究を展開している研究者による講演・パネルディスカッション等を実施。中国の南京医科大学第一附属病院、天津医科大学代謝病病院、上海交通大学医学院附属瑞金病院、重慶医科大学附属第二病院の研究者が講演。日本からは東京大学大学院、千葉大学大学院、山口大学大学院の研究者が講演を行った。

第2回 アジア糖尿病フォーラム

概要
開催日 | 平成23年8月16日(火)
場所 | 徳島大学病院
参加者数 | 45名
第2回 アジア糖尿病フォーラム

南京大学及び湖南省人民医院より、それぞれ2名の糖尿病研究者を招聘した。国内からは大阪大学大学院、神戸大学大学院の研究者を招聘し、日本と中国の糖尿病に関する研究と臨床における最新の情報交換を実施。

第3回 アジア糖尿病フォーラム

概要
開催日 | 平成25年1月11日(金)
場所 | 徳島大学病院
参加者数 | 50名
第3回 アジア糖尿病フォーラム

東京医科歯科大学大学院、順天堂大学大学院の研究者を招聘し、徳島大学アジア圏留学生らと研究交流を実施。

第4回 アジア糖尿病フォーラム

概要
開催日 | 平成25年11月22日(金)
場所 | 徳島大学病院
参加者数 | 50名
第4回 アジア糖尿病フォーラム

中国からBGI Researchの研究者を、国内からは東京大学大学院、熊本大学大学院の研究者を招聘し、国際的糖尿病臨床研究拠点の形成を目指した先進的研究交流を実施。

2.糖尿病に関する3つの研究と成果

糖尿病病態進行からまもる研究

膵島移植後の細胞障害定量化やこれまでの成果である「超高感度自己抗体測定法」の応用などにより、糖尿病の早期かつ的確な診断、治療を実現します。また新規の魚油由来脂肪酸を活用した新たな治療薬や特定保健用食品の開発を目指します。

全自動免疫測定装置のための測定キット(開発中)

【開発中の測定キット】
大塚製薬工場、大塚製薬、シスメックス及び日本水産との共同研究を進めています。(共同研究企業が開発した全自動免疫測定装置のための測定キット/開発中)

糖尿病合併症からまもる研究

糖尿病と合併症の原因となる小胞体ストレスを解消する創薬の実現を目指します。これまでの成果である「小胞体ストレスを標的とした創薬スクリーニング法」を応用し、世界初となる画期的な治療薬のリード化合物を開発します。

小胞体ストレスの概略図

【小胞体ストレスの概略図】
小胞体ストレスを解消する創薬の実現に向けて、平成27年度に海外大手製薬企業との共同研究契約が成立しました。また、治療薬候補の評価技術を用いたスクリーニング事業の受託を達成しています。

ベストミックスを組み立てる研究

糖尿病検診・生活指導サービスやICTを活用した地域医療ネットワーク、さらには電子糖尿病ダイヤリーを用いた疾病管理などを組み合わせた糖尿病地域医療連携モデルを開発します。これにより研究開発と臨床との連携を促進するとともに、地域の食品産業やサービス産業との連携も深め、新たな糖尿病検診治療ビジネスモデルを創出します。

重症化予防事業の例

【重症化予防事業の例】
日本ユニシス、Welby及び徳島データサービス等との共同研究を進めています。事業化に向け「電子糖尿病ダイアリー」、「エネルギー密度に基づくCAS冷凍食」などの試作品が完成したほか、徳島データサービスが県内外で糖尿病重症化予防事業等を行っています。